いま海外で支持される日本のエンタメ

1970年代のシティポップが国内外で人気再燃

海外向けに日本国内のECサイトから代理購入を行う「Buyee(バイイー)」を運営するBEENOS株式会社(以下:BEENOS)が、「越境エンタメ トレンドレポート」を発表しました。

「Buyee」の購買データから世界で人気を集めた日本のエンタメを「本」、「音楽」、「グッズ」のジャンル別で紹介します。各部門で人気を集めたものは「動画配信コミックス」、「シティポップ」、「トレーディングカード」や「VTuber」となりました。かなり「日本推し」の傾向が見られます。

海外で人気の「日本のエンタメ」は? コロナ禍の影響も大きく

BEENOSによれば、コロナ禍によって世界的にステイホームが求められた中、「巣ごもり消費」の影響がいまだ海外でも伸長しているようです。

その中で日本のコンテンツに接する時間が増え、「Buyee」の流通総額は大きく伸長し、特に「エンタメ」ジャンルの人気が高まったとのことです。

また、新型コロナウィルス感染症拡大の影響によりDXが急速に進み、コンテンツを通じてボーダレスに世界のファンがつながり、コミュニティ内の熱狂が消費を動かしたことも一因としています。

海外で人気の本は「動画配信コミックス」「BL」

まず、「本」部門での人気コンテンツを紹介します。

劇場版が日本映画の興行収入を塗り替えるなど国内で大ヒットしたアニメ「鬼滅の刃」は世界でも人気を集めて東京五輪閉会式でもBGMとして使用され、SNS上で歓喜の声が上がりました。

BEENOSは、コロナ禍の巣ごもりで配信サービスでの動画視聴が増加したとしています。例としては、「鬼滅の刃」のほか「進撃の巨人」、「呪術廻戦」、「東京卍リベンジャーズ」などが挙げられます。

そして、その原作となるコミックスも好調な販売を見せたということです。最新刊だけでなく、過去作含めた「大人買い」が起こり、さらに関連商品の文房具やフィギュアなどもまとめて購入されました。

また、「BL」(ボーイズラブ)ジャンルが世界的にも注目され、タイや中国のドラマが日本でも話題になりました。

日本の作品は「BL」の歴史が深いとされており、これが海外でも人気を博しました。主にアメリカ、中国、台湾エリア、タイなどから購入されています。

海外で人気の音楽は「シティポップ」

次に「音楽」部門の人気コンテンツを紹介します。

海外で人気だったのは、「シティポップ」ジャンルです。これは、主に1970年代後半から1980年代にかけて日本で流行した都会的なサウンドが特徴のポップス楽曲で、国内外で人気が再燃しています。

動画サイトやSNSなどをきっかけに、曲の持つ洗練された雰囲気が「新しい!」と評価されているとのことです。韓国人DJがクラブで「シティポップ」の定番曲を流してムーブメントの仕掛け人となる現象が起こるなど世界で流行中の一大ジャンルとなっています。

「Buyee」では「シティポップ」関連商品の流通量も大きく伸長しました。

越境ECで特に売れているのがLPレコードで、ジャケットや音質が高く評価され、日本特有の「パッケージ文化」を象徴するレコードが海外のコレクター心をくすぐっているということです。

海外で人気のエンタメグッズは「トレーディングカード」「VTuber」

最後の部門は「グッズ」です。

2021年上半期からトレーディングカードの需要が高まり、特典カードが入った限定商品の需要が白熱しました。

趣味性の高いロングテール商材は世界中のお客様にリーチできる越境ECにおいて需要が高くなる傾向があるため、「エンタメ」商品は越境ECと相性が良く、流通に結び付きやすいジャンルだということです。

Buyeeでは、「トレーディングカード」関連商品の流通量、流通金額は、ともに大きく伸長しました。

「トレーディングカード」関連商品の流通量と流通金額

また、クリエイターによる創作の総合マーケット「BOOTH」では世界的にも有名なVTuberのグッズが好調で、特にアメリカからの注文が殺到したといいます。

VTuber関連のグッズは海外のリアル店舗での購入が難しいため、日本のコンテンツと希少性の掛け合わせがファンの熱気と流通を生み出したと分析しています。

Japanコンテンツを愛する人は「日本推し」なコレクター

越境ECでは、「日本推し」な外国人からの支持が顕著であるようです。

BEENOSはハイブリッド型総合書店「honto」における購買データから「日本推し」なコレクター傾向にある外国人を分析しました。

「Japanコンテンツを愛するお客様」カテゴリ別ランキング

「Japanコンテンツ」を愛する外国人はアメリカに最も多く、次いでオーストラリア、台湾エリアが多いとされています。男女比はほぼ半々で、年代層は20代が最も多く、30代、40代と続いています。

本以外でも、日本のアーティストやアイドルのCDやDVD、Blu-ray Discなどを購入しているケースもあり、日本のコンテンツを紙の本やCDでコレクションしたいという想いが表れています。

また、ノートやボールペンなど安価で品質の良い日本の文房具や、グラノーラやカップラーメン、インスタントコーヒー、出汁などの日常食品を購入する人も多く、日本のアイテムで生活を彩りたいという想いを感じる結果となりました。

インバウンド最新動向を予測

ついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光は本格的に再開されました。いまだ”完全回復”には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心は急速に高まっています。

今後、インバウンドの最新動向を知りたい方向けに

  • 最新の訪日観光の状況や今後の予想
  • 国・地域別のデジタルマーケティング
  • 外国人向け情報発信の際に意識すべきこと

を 別記事でお届けします。


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