映画館のサウンド♪ 5.1ch

映画館の基本5.1chを解説

 

ホームシアターの普及によって一般的にも耳にするようになった5.1ch。

フィルム時代、ドルビーデジタルの登場によって映画館の基本装備となり従来までは体感出来なかった迫力の音を楽しむ事が出来るようになりました。

今回は5.1chの意味、役割について初心者にも分かるように解説します。

  1. 5.1の数字の意味
  2. サラウンドスピーカーが複数あるけどこれも5.1ch?
  3. 作品の収録音声の5.1ch
  4. 5.1ch・迫力のサウンド
  5. まとめ

5.1の数字の意味

5.1の数字の意味ですが、過去記事の「映画館のシアターってどんな場所?」でもちょっと触れましたように スピーカーの話が関係してきます。

メインスピーカー、サラウンドスピーカー、サブウーハーという言葉がありました。

まずスクリーン裏に設置されているメインスピーカーは3本ありました。

これがスクリーンを正面に見て左からLch(レフトチャンネル)・Cch(センターチャンネル)・Rch(ライトチャンネル)という各々独立したスピーカーになっています。

次にサブウーハー。これが低い音のみを鳴らすチャンネル・LFEch(エルエフイーチャンネル)になります。

メインスピーカーは高い音から低い音まで鳴らすので1chと数え、ごく低い音しか鳴らさないサブウーハーは0.1chとなるわけです

5.1の数字の意味。LFEch。Lch。Cch。Rch。
スクリーン裏のスピーカーの設置イメージです。

そしてサラウンドスピーカーですが、こちらは後方の壁の真ん中で左右が分かれています。

スクリーンを正面に見て左側がLsch(レフトサラウンドチャンネル)・右側がRsch(ライトサラウンドチャンネル)になります。

客席全体を囲むように設置されています。

5.1の数字の意味。Lsch。Rsch。
スピーカーの上の青〇がRsr、赤〇がLsrになります。

サラウンドスピーカーが複数あるけどこれも5.1ch?

サラウンドスピーカーが複数あるけどこれも5.1ch?

シアター内を見回すとサラウンドスピーカーが座席を囲むように複数設置されています。

設備表がある映画館ではサブウーハーが2台とか4台とか設置されているのが分かる所もあります。

スクリーン裏にメインスピーカーが3台、サブウーハーが4台、サラウンドスピーカーが12台、つまりここは15.4chのすごい映画館なんだ・・・というのは誤りです。

映画館の情報で「シアター1 5.1」など表記されていますがここで5.1chと表記があればサラウンドスピーカーがたくさんついていても各チャンネル側のスピーカーはすべて同じ音が出ています。

サブウーハーも同様に複数あっても同じ音が出ています。

つまりは音が5.1ch対応のシアターであればどれだけスピーカーがあっても5.1chなんです。

複数のスピーカーが必要なのは客席全体をカバーする為です。

作品の収録音声の5.1ch

映画のポスターやチラシ、詳細情報を見ていると95分/カラー/5.1

のような表記を見たことがあるかもしれません。

これは作品の音が5.1chで収録されています。という意味です。

ブルーレイやDVDの後ろにも同様に5.1chや2.0chなどの表記があるのを見たことがあると思います。

基本的に映画館は5.1chのシステム以上にはなっているので作品の音が何チャンネルで収録されているか、7.1chなどの設備に対応しているかの2点に注目するといいでしょう。
※表記がない場合もあります。

ここまで読んでいただければ何となく分かると思いますがchというのは独立した音を収録出来る数という事で5.1chであればL.C.R.Lsr.Rsr.LFEの5つにそれぞれ音を収録することが出来るという事です。

5.1ch・迫力のサウンド

まずCchはセリフを主に担当する最も重要なスピーカーです。

このスピーカーが中央にあることで登場人物のセリフが一体感を持って聞こえるわけです。

センターチャンネルはセリフのみを担当するチャンネルではなく、効果音や音楽も出力しています。

Lch・Rchは音楽や効果音を主に担当します。

映画館の空間に響き渡る音楽や爆発音など、映画の音を一層高めてくれます。

このLch・Cch・Rchがメインチャンネルでありこの3ch分で様々な表現が可能です。

例えばスクリーン右から人物が話しながら左に移動する場合、Rchの話し声が徐々に小さくなり、Cch の声が徐々に大きく、そのままCchの声が徐々に小さくなりLchの声が徐々に大きくなっていく・・・のようにスクリーンに合わせて音を動かすことが出来ます。

部屋にいる人物の右側の扉からノックがあった場合、Rchからノックの音が出力されると人物が音にはっとして右を見る。

Cchから「誰だ?」と問いかける・・・と空間や位置などを細かく表現する事が出来ます。

これにLsrch、Rsrchが加わると客席側まで音が伸びてきます。

このサラウンドチャンネルは常になるものではなくシーンに応じた音を出力します。

ライブシーンの怒号のような歓声、歩く音や通り過ぎる車などの街の喧騒、爆発によって飛散し飛んでくる破片、後ろからの呼びかけなど効果的に鳴らすことで映画に入ったような音場を作り出します。

最後にLFEch、独立して低音を鳴らすことで車のエンジンや爆発といった低い音を鳴らし、映画館ならではの迫力を生み出します。

このチャンネルもサブウーハー同様に常に鳴るチャンネルではありません。

迫力を増すために鳴らすチャンネルと思われがちですが、オーケストラの空気感や扉を開ける日常的なシーンの演出など体感としてあまり聞こえなくても微妙に鳴ることでリアリティを生み出すチャンネルでもあります。

映画製作側は音量の変化や配置以外にも様々な技術を駆使して映画の音を作ります。

これにより映画そのものを体感するような迫力の映画体験が可能になるのです。

5.1ch・迫力のサウンド
座席表を基にした5chのスピーカーの音場イメージ

まとめ

5.1chはL・C・R・Lsr・Rsr・LFEという独立したチャンネルの事です。

作品に収録されている音声の事、上映するシアターの場合スピーカーがたくさんあっても5.1ch対応のシアターは5.1chであるという事になります。

この5.1chは映画館の音の基本になります。

映画を見るとき、映画に入り込んだようだった、集中して目が離せなかった、面白かった など 音がどうこう と言わなくても 映画を楽しめたのならば それは映画館のシアターという環境が映画の価値を存分に発揮したということなのです。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です